添乗員免許習得と前後して、私の初めての添乗員としての仕事が決まった。真冬の北海道だ。テストには合格していたが、正式に免許書を受け取る前だったのと新人なので、当然「サブ添乗」といわれるポジションで添乗することに、、、
記念すべき初添乗、それは「真冬の北海道5日間」だった。本州に住む私にとってそこは憧れの土地で、飛行機でひとっ飛びのはずだったが、羽田経由で、おまけに待ち時間が3時間もある。空いた時間を使って、空港近くの某ホテルで昼食を取り、再び飛行機で北海道へ。ここで、またトラ、、、
初添乗って何があったんだろう? はっきりと覚えていない。あまりの緊張と大きなグループの移動で、ただチーフの指示に従ってたからかもしれない。とにかく寒くて、雪の上を歩くのに苦労して転んでしまったこと。キタキツネの尻尾の太さに驚いたこと。この時の担当してくれたバス会社のガイドさんと、、、
「旅程管理者」の免許も無事交付され、晴れて私は「主任添乗員」となった。だからといって、すぐに一人でツアーを受け持つかというと、そういうわけではない。しばらくは、先輩添乗員との2台口、3台口、というツアーが続く。私の場合2月に採用され、3月から添乗開始、4月に免許交付という流れで、割合とんとん拍子に事が運んだように思う。6月のある日、アサイナーと呼ばれるスケジュール管理者と課長に呼ばれ、、、
自宅近くの写真屋さんで、パスポート用の写真を撮影し、初めてのパスポートを手にした。なんだか、少し偉くなったような、「これで私も国際人?」な〜んて思ったりして。スーツケースを持っていなかったので、レンタルした。いろいろ迷った挙句、61cmサイズのサムソナイトを借りた。某日系航空会社のスチュワーデスさんが持っているものと同じカラー、サイズにしたところが、いかにも、、、
◯◯◯で、わけのわからない同僚にいびられても頑張れるのは何でだろうって、思ってたらこのことを思い出した。「台数口」ドタバタの初添乗が終わって、「添乗員」の仕事の一部をようやく理解し始めた頃、試練がやってきた。「台数口」いわゆる、チーフ添乗と呼ばれる人との、、、
前の晩、緊張で眠れないという事もなく、朝は9時過ぎに起きるという、新人とは思えない離れ業をみせた私に、両親は「大物だ!」と思ったに違いない。何故だかわからないが、緊張感がまったくなかった。それどころか、ハワイで聞くつもりで、ミュージックテープの用意までしていた、、、
定時に離陸した、飛行機は順調に高度を上げていく。国内添乗の時は、夜、着陸する事はあっても、離陸を経験したことはなかった。夜間飛行がこんなに怖く感じたのは今回が初めての経験だった。折りしもこの日は、夏特有の雨模様で、気流がかなり悪く機体が大きく揺れていたように思う、、、 |